冬景色

 このところ暖冬が続いているウラジオストクですが、温かいと言っても寒冷なロシアでのこと、「今日は氷点下10度。それほど寒くない」と私達の「寒さ・温かさ」とはレベルが違います。

 ロシアの中では南に位置しますし、凍らない海の近くなので内陸のシベリアのように気温が下がりませんし、数字の上ではモスクワやサンクトペテルブルグと比べて暖かいウラジオストク。

 「ウラジオストクには独特の寒さがある」とロシア人が言うのは、湿気を含んだ冷たい寒さで、日本の寒さに似通った寒さがあると思います。

 冬の弱い日の光の中で、暗色のロングコートと帽子をかぶったロシア女性は、物憂げで吸い込まれるような魅力と不思議を感じるものです。

 海辺特有の湿気を含んだ雪が降った日。気温は上の写真のほうが寒いのですが、自動車を運転していてどちらが滑るか?と言われれば左の写真の雪でしょう。この状態で気温が上がるとミラーバーンになって滑りますが、気温が下がっていれば意外と滑りません。

 ”乾いた氷は滑らない”と以前スタッドレスタイヤのコマーシャルで放送していましたが、気温が低くなれば大気中の水分も凍りついて地に落ちてしまうので、サラサラした雪になります。

 左の写真の雪は握れば固まるような湿気のある雪なので滑りやすいと思います。

 シベリア内陸の村の雪景色。氷点下2−30度でしょう。このくらいになると寒くありません。痛いです。

 日の当たる部分と日陰では天と地ほど体感温度が違います。太陽の明かりの力は偉大だと感じます。

 夜、街灯も無い道路を歩けば、月明かりを受けた白い夜道がうっすら明るく、白樺の幹の間からもれる家の明かりがなんとも心地よく心にしみます。

 冬空の厳しさと、明かりの温かさと、その両極端がロシア人の心に影響を与えているようで、冷ややかな裏側に窓辺の灯火のような暖かさを垣間見る時、魂がひきつけられます。

 シベリア鉄道の駅のほとんどは線路と同じ高さのホームなので、出入り口の階段をよじ登って車内に入ります。

 石炭で暖房している列車の車内の暖かさと、外の寒さの落差もすごいのですが、列車の車両の窓ガラスは二重ガラスになっており、この二枚のガラスで厳しい外の寒さがしっかりとさえぎられています。

 冬はロシアが最も美しい季節です。

07.1/28