ロシアパン

 ロシアで一般的に食べられているパンはライ麦を原料にした黒いパン。小麦の用にグルテンを含んでいないので、ふんわりしたパンではなく、顎の筋肉を鍛えられるよな硬いパンです。

 ぎっしりと硬く引き締まったパンなので、おなかにもたまります。日本で食べられているパンが「菓子パン」といわれるのもわかる思いがします。

 昔、「アルプスの少女ハイジ」のアニメを見ていて、スイスの山奥からフランクフルトへ行ったハイジが、歯が弱くなっているのにいつも固い黒いパンを食べているペーターのおばあさんを思いやって、フランクフルトのハイソサエティーが食べる白いパンを溜め込むシーンが出てきました。そのときは、黒いパンのほうが甘そうでおいしそうと感じたものですが、ロシアで硬く黒いパンを食べるたびに、なるほど歯の弱い年寄りには厳しい食べ物だと実感します。

 日本で「ロシアパン」と呼ばれるのは巨大なコッペパンで、上に砂糖シロップがかかっていたり、黒糖を混ぜて練りこまれたもの、甘いパンという印象がします。

 私が小学生の頃、学校給食がなかったので毎日弁当を持って学校へ行きました。我が家では小学校に上がると親が「弁当は自分で作れ!」と作ってくれなかったので、毎朝、弁当箱にご飯に用意してあるおかずを入れたり、卵焼きを焼いて自分で作って持って行きました。

 忙しいときにはパン食で、朝、台所に置かれていたのが大ロシアパンと呼ばれた大きなコッペパンでした。カバンの中でぐちゃぐちゃになるので、昼時には上にかかった砂糖シロップが砕けて袋の下にたまっており、、これを牛乳の瓶に入れて甘くして飲んだものです。

 日本のロシアパンは特にロシアとは関係なく、ヨーロッパの人が食べているコッペパン型のパンをロシアパンと呼ぶようになったみたいです。最初にロシアパンを売り出したのは東京の中村屋で、1909年のことです。

 ロシアに行ってロシアパンを探してもありませんでしたし、ロシア人も「これが日本のロシアパン」と言うと「なぜ?」という顔をします。

 数年前まではケーキ類もグルテンの少ない大麦やライ麦を混ぜたものが多かったので、パサパサした物が多く見受けられましたが、日進月歩でロシアのパン事情も変化しています。

 日本のロシアパンのようにコッペパン方で、柔らかい小麦のパンも見かけるようになりました。

 私達がどこへ行ってもお米なしの食事が寂しいように、ロシア人にとっても黒いパンはスピリチャルフード。ロシアから離れて暮らしていると、無性にあの固いパンを食べたくなる時があるそうです。

 日本でもライ麦のパンを作っているベーカリーがあるので見つけておくことをお勧めしますが、黒いパンではないもののライ麦パンの味で心が和むそうです。

06.12/21