春の雪

 ウラジオストクのこの冬は、気温は例年より低かったが雪が少ない冬でした。1月などビルの日陰に氷が残っているだけで、道路はまったく雪もなく”ただ寒いだけ”でした。

 11月と12月に雪が降ったものの、その後、積もるほどの雪がないままに2月末の週末にようやく積雪になりました。

 ウラジオストクは急な坂の多い街なので積雪があると交通機関に大きな影響がでます。

 雪の降り方も両極端で、町の機能が麻痺するような吹雪を伴った雪が降ったかと思えば、翌日は嘘のような好天になっている。シンシンと音もなく降る雪は少ないようです。

 ”雪なんか降らないほうがいいですよ”とウラジオストクの人々は言いますが、1月2月に雪の少ない年は3月に入ると雪が降るそうです。

 「乾いた氷は滑らない」というスタッドレスタイヤのコマーシャルがありましたが、春先の湿った雪は滑るので「これからが気をつけなければならない季節」と言っています。

 厳冬期に凍った道路わきの雪も、温かくなってくると溶け出して滑るので、道を歩くときにも要注意です。坂道で転んだり、階段から転げ落ちたり、けが人も多く出る季節です。

 今年というより、昨年末の日本は記録的な大雪に見舞われましたが、夏は高温多湿な日本のほうが冬も豪雪地帯です。世界の淡水の四分の一を蓄えているバイカル湖があ李、シベリアの台地のかしこに沼があるとはいえ、ロシアは全体的に見たら決して水に恵まれているわけでもありません。特に良質な水は十分ではありません。

 ウラジオストクの生活水も郊外の大きな貯水池からもたらされているもので、この一帯の積雪が少ないと夏の水不足にもつながってしまいます。「貯水池の周辺だけ雪が降って、市内に降らないことが望ましい」と人々はいいますが、そう簡単に行くわけはありません。

 「昔は雪が降ると、子供達が外で雪遊びをしたが、今はみんな家の中でテレビゲームをしている。子供達も少なくなった。」

 日本と同じ現象が起きていますが、私が子供の頃もスキーやソリなど外で遊んだのは初午(1月末か2月初旬)を過ぎてからで、日本だって厳冬期はとても外で過ごせるような状態ではありません。

 厳冬期の雪はサラサラしてかたまらない雪ですが、3月になってから降る雪は湿気を含んで固まる雪です。ウラジオストクのアパート外の広場には子供達が作った雪だるまが並びます。

 とけた雪で衣服がびちゃびちゃになって、さらに家に帰ってママに怒られる。こんな経験をしながら育つのはロシア人だって同じです。

06.3/1