港と駅

 日本からウラジストクへの飛行機は、夏のシーズ運では新潟(火・木・日)・富山(月・水・金・日)・関空(月・土)から直行便が出ています。

 1時間半(新潟ーウラジオストク間)から2時間少々(富山・関空からウラジオストク間)のフライトで到着してしまいます。意外なほど近いヨーロッパです。

 飛行機以外には、富山の伏木港から旅客船が出ています。旅客船の場合は曜日ではなく、運行日程表によって就航していますが、昨年の夏など日本に就航している旅客船をチャーターしてクルージングに使う観光旅行会社がいて、突然定期便が運休になったこともありました。およそ日本的な考えでは納得しかねるおきて破りですが、これもまたロシアです。

 ウラジオストクは港を中心に発展してきた町なので、港が市街地の中心になります。写真左側のビルが港のビルです。

 港のビルのデッキから、日本への定期便RUS号を間近に見た写真です。日本に向けて就航する前なので、甲板には何もつまれていませんが、日本から戻ってくると甲板の上には自動車が所狭しと並んでいて、クレーンと作業員があわただしく自動車を釣り下ろす光景を見ることができます。

 船の旅は夕方出向して、翌一日を海の上で過ごし、3日目の朝に上陸する二泊三日の旅になります。出入国手続きは船内で行います。

 費用は2等客室なら飛行機の半額強で利用できるので、主な利用者はロシア人が多く、自動車や電化製品などの買い付けに来る人たちや、持ち込み荷物50kg(飛行機は20kg)まで料金に含まれているので、荷物の多い里帰りの奥様方にも利用されています。

 この港のビルは旅客専用で、日本への定期便以外にも、湾内の島を結ぶフェリーや、外海へ出てナホトカに行く船などもあります。

 港のビルは輸入雑貨のデパートで、家具(主に韓国製)や電化製品などのインポート物が展示販売されています。

 右側の建物はモスクワへ通じるシベリア鉄道9000kmの出発点、ウラジオストク駅です。

 駅と船の港は線路を挟んで隣接しています。

 ウラジオストク駅から出る列車にも国境を越える列車があり、ウクライナのハリコフへ行く列車や、中国や北朝鮮へ行く列車も不定期ながら出ています。

 シベリア鉄道の特急が走行する速度は平均速度に換算すると60km程度だそうです。その理由は、ところどころに検問があり、自動小銃を持った兵士が監視するゲートを人が歩く速度で徐行する箇所がいくつもあったり、管区が変わると電車の動力系統が変わるので、動力車を乗せ変えなければなりません。中国とは線路の幅が違うので、全ての車両をクレーンで吊り上げて、下の台車を乗せ変えます。

 これも全て「防衛」のため。危機を招かないためには不合理も飲み込まなければならない、陸続きの国境を持つ国の常識でしょう。

 道路を隔てた中央郵便局屋上の定点カメラが映し出す駅と港の光景。駅の建物左に、線路を横切る橋があり、これが船の港へとつながる通路です。

 通路の橋には駅のホームへつながる階段があり、列車の利用客はこの階段を使ってホームに行き来します。日本のように駅舎に改札はないので、駅舎は駅員さえ見かけない待合室のようなものです。フレスコ画の素晴らしい絵が天井に描かれています。

 駅舎の中にコーヒーショップがあるのは当たり前でしょうが、ウラジオストク駅は列車乗客とは関係ないディスコまであります。

 ウラジオストクから一番近い大きな都市はハバロフスクで800kmです(新潟もほぼ同じ距離)。夜出発して翌朝到着の便が一般的です。こうした長距離列車以外にも、郊外から通勤・通学用に利用される近距離列車もあり、こちらは日本の車両のような近代的な電車になっています。

06.5/16