ノスタルギアU

 ウラジオストクホテルから駅に向かって下る坂の左側にレストランノスタルギアがあります。ウラジオストクでも歴史あるレストランの一つです。

 ティールームとレストランとみやげ物コーナーがあり、ここのティールームはケーキとアイスクリーム類がおいしいと女性たちには評判です。店内は禁煙です。

 私はこのティールームに飾られている絵画が好きで2003年のコラム「ノスタルギア」で紹介した、ゴーリキーの小説「母」をモチーフにした絵がお気に入りです。

 たびたびえは入れ替えられていますが、この絵は長く飾られていました、今はあるのだろうか?

 絵の飾られている壁の反対側はレストランです。

 店に入ると右は土産点、左はティールームとレストラン。

 冬はここでコートを脱いで預けます。

 ウラジオストクのレストランや飲食店の多くは入口で荷物やコートを預けます。入口にはちょっと恐い系のお兄さんがいて、軍人上がりのボディーガードです。

 店によっては刃物や重火器など持ち込まないよう金属探知機で検査する店もあります。

 これもまた安全に食事を楽しむためのサービスです。

 ロシアの民芸品を売っているみやげ物コーナー。最近は道の反対側にも店を出しているようです。

 みやげ物の一番人気はマトリョーシカ人形ですが、20世紀に行った頃はまだ物不足の余波があったころで、そのマトリョーシカ人形でさえお情けに4-5体並んでいるだけでした。

 そのころ、昼間ノスタルギアの店先にはソビエト時代のバッジや軍の階級賞、切手などを売る人がカバンを持って立っていました。外国人を見かけると声をかけて来たものです。

 その頃白樺の板に絵を描いて売っている青年がいて、彼の絵が好きで土産に買ってきたものです。

 レストランは格調高い部類に入り、私がウラジオストクに行き始めた頃はベルサイユホテルのレストランか、ノスタルギアかといわれていましたが、ウラジオストクではまだ外食が一般的ではなかったので、大方の人たちはレストランで食事をすることなど稀でした。

 金持ちと外国人から税金を取れとばかりにレストランの食事には50%もの税金がかけられるので、日本並みの出費は覚悟です。

 ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后の絵が飾られています。アレクサンドラ皇后はヘッセン大公ダルムシュタット家のルートヴィヒ4世の娘で、祖母は英国のビクトリア女王です。王家の国際結婚ですね。

 「今のロシア人はレーニンの本名なら誰でも知っているけど、ロマノフ家ったって何のことかわからないですよ。」

 そんなことなどまったく考えもせず、おいしい料理を食べて、おいしいデザートをいただき、優雅なひと時を楽しむ。

 こういう店に行ったら注文は向こうに任せるのが無難で、”ボルシチ”なんて言ったら「そんな家庭料理があるわけないでしょう!」と言われました。

 もう一つの高級レストランのベルサイユホテルのレストランのメニューにはカツ丼があったので、バイオリンとピアノの生演奏でラフマニノフの”ヴォカリーズ”演奏してもらってカツ丼食うのが夢なのですが、「そういうことをするなら連れて行けない」といわれています。

06.4/12