畜産物

 Свежее Мясо 新鮮な肉と書かれています。肉屋さんの壁画です。店先に並ぶ肉の生前の姿が描かれています。

 ロシアで一般的な肉は牛肉。冬の気候が厳しいロシアでは寒さに弱い家畜は生産効率が見合いません。

 日本で飼われている牛も和牛は寒さに強くありませんが、寒冷なヨーロッパから入ってきた乳牛のホルスタインなどは逆に日本の夏の暑さで死んでしまうことがあります。

 毛の長い羊や、乳用牛などは寒い土地で品種改良されてきたので、寒さに強い家畜です。

 ロシアでは養豚は盛んではないので、豚肉は牛肉よりも高価です。豚も寒冷地には不向きな家畜です。

 鶏肉のほとんどは輸入物で、ブラジルやタイなどから冷凍で運ばれてきますが、地元産の鶏肉を売る店もあります。卵などは郊外の農家から買い集める商人がいるようで、昔の日本の農村と同じです。

 農家が買っている鶏は卵肉兼用種の鶏が主で、赤毛のロードアイランド・レッドに似た種類を多く見かけます。卵も赤い殻の卵です。

 日本の養鶏は工業化できた畜産の優等生と言われますが、冬寒冷なロシアでは鶏が生き延びることも大変です。

 最近は肉や卵も大きなスーパーマーケットでパック売りされていますが、生産者や販売者の顔が見えるほうが安心だからと、小売店や郊外の農家に直接飼いに行く人たちもいます。

 4年前にウラジオストクでヤキトリを披露するために鶏肉を飼ってきた事がありますが、このときは牛や羊の肉よりも高かったと記憶しています。

 パックに入った牛乳です。あの強靭なロシア人の骨格を作る源で、牛乳を良く飲みます。

 最初にウラジオストクに行った頃、牛乳といえば、朝住宅地の広場などに郊外の農家がトラックでやってきて、市民はペットボトルなどを持って買いに行っていました。

 バターやチーズの元になる乳脂肪をとった後の脱脂乳のようで、こちらから買って行ったフルーチェを作るときに良く固まりませんでした。脱脂乳に慣れているためか日本の牛乳が濃すぎると言われます。そういえばUSAでも牛乳は脱脂乳がほとんどでした。

 日本では牛乳の殺菌にウルトラ製法と言って130度の高熱に2秒間さらすことでたんぱく質を破壊することなく殺菌できる方法をとっていますが、他の国ではパスツールが開発したパスチャライズと呼ばれる低音殺菌方法をとっています。たとえば60度で40分煮るなど。そのためクリーム分が残っているので日本の牛乳よりもぬるっとした感じがします。

 乳製品もロシアの生活には欠かせない食材で、とても重要視しています。牛乳の他にもバターやチーズ、スメタナと呼ばれる酸っぱいサワークリーム、ヨーグルト、ロシア人が大好きなアイスクリームなど、乳製品と接しない日はありません。

 これから日が長くなると、郊外にあるウラジオストク空港から市内に向かう道のりで、牛乳や乳製品を売る人々の姿を見かけることでしょう。

 郊外農村の街道には民家の庭先にベンチやテーブルなどを出して乳製品を売る農民の姿も見かけます。長いドライブの休憩所として牛乳を買ったり手作りのヨーグルトを食べたり、、おばあさんたちが作った田舎スナックやジャガイモ料理を食べたりするのも面白いものです。

 酸っぱいヨーグルトに砂糖も入れず食べるので、これも馴れ方の問題でしょうが、付き合っていくうちにヨーグルトに砂糖を入れないおいしさもわかってきます。

 粉末のヨーグルトもあります。ヨーグルトの水分を抜いたものですが、日本の高野豆腐のように冬の寒いときにヨーグルトを外で凍らせてフリーズドライにして保存食にする生活の知恵です。醍醐味の「醍醐」もこの固形のヨーグルトではないか?といわれています。

 騎馬民族のヨーグルトを真似て、中国人が大豆で作ったのが豆腐ですが、乳製品や肉類などその加工や調理法の多様さには文化の深さを感じます。

06.5/26