霧
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ロシアの街や人々が持つ独特な暗さや物憂さを”ロシア的憂鬱”と呼びます。 日本の侘びさびとも似て非なる、どうやって立ち入ればよいのかわからない、踏み込めない独特の暗さがありますが、これがまた私達を惹きつけます。 物憂い瞳のその奥に何が潜んでいるのだろうと深みにはまってしまいますが、意外なほど何も考えていません。ただ空虚がたむろしているだけです。 燦燦と輝く太陽の下での健康的な美しさとは異なる、雲を通した間接的な光で見る妖しい美しさがロシアの国土には漂っています。それが冬のロシアの魅力なのかもしれません。 港町のウラジオストクは霧が巻く街です。強い風が吹く日には霧は発生しませんが、夏の冷え込んだ日や、冬の暖かい日には街の中を霧が漂います。 冬に発生した霧は夜更け過ぎに雪になって地面を多います。空から降ってくる雪とは違う球状の雪になります。 |
| ロシアの文学や詩情の中でも霧は良く用いられています。日本でもよく知られているソビエト歌謡の”ともしび”も、その舞台は夜霧の舞う街角で、家の窓辺からこぼれるともしびが霧ににじんで人恋しさをつのらせる背景を持っています。 ♪Утро туманное...♪霧の朝に…ロシアのトラディショナルなロマンスです。 しばしば感じることですが、ロシア人の心は霧がかかっていてはっきり見ることができないと。これがロシア的な曖昧の要因だと思うのですが、決して晴れることがない心の霧を含めて飲み込む度量がなければ、論理明快、単純に語ることができないあの不可解さには付き合えきれないのではなかろうか? |
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Умом Россию не понять, Аршином общим не измерить: У ней
особенная стать - В Россию можно только верить. ロシアは頭では理解できない。並の尺度では測れない。そこには特別な気質があるのだ。ロシアはただ信じるのみ。 ロシアの国民的詩人Фёдор Иванович Тютчев フョードル・イワノビッチ・チュッチェフ(1803-1873)の有名な詩の一説です。 ロシアと深く接するほどにこの言葉が重みを持ってくるように感じます。脳みその先っちょではとても理解できないから丸ごと愛するだけです。 霧の向こうには何があるのだろう?暖かいともしびがともっていることを願うばかりです。 そういえばウラジオストクの霧の写真が少ないなと考えてみると、霧の日には視界が悪いので写真なんか写す気にもなりません。 ちなみに左の写真の霧の向こうには下水道の通気口です。下水道から立ち上った空気が外で冷やされ霧になっているだけです。 |
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06.3/31 |