聞き上手

 2月2日のNHK「難問解決!ご近所の底力」のテーマは”農家の男性に春を呼ぶ”嫁不足に悩む農村の男性たちの解決策をいろいろ紹介していました。

 私も過疎と嫁不足著しい農山村に住んでいて他人事ではない問題なので興味深く見ていました 。しばしばこうしたテーマでは”農山村に住んでいるが故に”と言う環境的な問題を口実にしたがりますが、自分のだらしなさを棚に上げて甘えてしまっているのではなかろうかとよく感じます。

 住んでいる地域や仕事が結婚疎遠の原因なら、大都市に住んでいて名のある企業に勤務している独身の方々は、人間性に問題があると言うことになってしまうではありませんか。

 農村独身男性の言い訳を期待して番組を見ていたらさすがはHNK、そんな言い訳は一言も出てこないで、どうやって結婚できるチャンスを作るかと言う前向きな話題で嬉しかったです。

 男性が女性と話をする時の質疑応答について、なるほどなと感心する指摘がありました。

 ”聞き上手になる”ことが重要なポイント。聞き上手と言うと相手に話を聞くだけのことのように思いますが、質問のしかたが上手になると言うことでした。確かに女性と上手に付き合える人は相手の話を聞きだす手腕が上手です。

 番組の中でいきなりYes Noを求めるような質問の仕方はよくないといっていました。外国人相手には曖昧な質問方法はかえって誤解を招くので”どうかな?と思いましたが、尋問のごとくいろいろと質問されると答えるのも嫌になってしまいます。Yes Noを相手に迫るような聞き方をする人ほど、自分はどちらなのかはっきり言えないほとが多いものです。

 それでも中国人は屈託なく答えてくれますが、ロシア人は”何か裏があるのでは?”とのらりくらりとはぐらかそうとします。秘密警察の目がどこに光っているのかわからない時代を長く経験していますから、過度な質問には「その質問にどんな意味があるの?」「重要なの?」と嫌悪感を示すことも多いです。

 相手がどう思うかばかり気にして「僕の事をどう思いますか?」「僕のことを好きですか?」「僕のどこがいいですか?」ばかりで、自分がどう思うかを語らないことには相手だってまともに答えてくれません。

 この手合いは私の地元の農村お見合いパーティーでも多いんです。「好きなら好きって言えばいいじゃないか!」と腹が立つほどウジウジしている男。気持ちはわかるが人生相談じゃないんだから当たって砕けろ!と言っても当たる前に砕けちまってる。

 農家なら種をまいて育ててなんぼ。種もまかずに収穫しようとは笑止千万。相手が日本女性ですから巧みに言葉を操ってかわしますが、これがもしロシア人なら「カシマール(最低!)」の一言で終幕です。

 番組の中では「私はこうですが、あなたはどうですか?」と言う聞き方をするべきだとアドバイスしていました。趣味を聞くにしても、いきなり「趣味はなんですか?」と言うよりも「私は暇な時はドライブに行ったり、映画を見に行きますが、あなたはどんな趣味を持っていますか?と言うような聞き方のほうが相手も答えやすいことでしょう。

 自分を具体的に上手に表現できれば相手もそれを参考に答えやすいので、”聞き上手”になれるでしょう。

 興味を持っていなかったことに対して相手の気を引こうと迎合して相手に話を合わせるよりも、「その分野は良くわからないのですが教えてもらえますか?」と素直に聞いたほうが印象がよいと言うアドバイスもありました。

 男性と女性、興味の視点も違うものですから、女性が”これが面白い”と思っても、男性の目には”何が面白いのだろう?”ということは多々ありますし、その逆も多々あります。それでも、近づくきっかけになることですからないがしろにはできません。興味がないといってしまえばそれまでですが、私は興味はないけどあなたはなぜ興味を持ちましたか?でまた一歩踏み込めるものです。

 相手が答えやすいように聞くと言うことは意識すると難しいことですが、普段から他の人と接していると自然に身に付くはずです。人と接することが少なくコミュニケーションが不足していると言うのが、昨今の日本人の問題なのかもしれません。

 自分から相手に質問したことに対して自分自身で勝手に答えを作り上げて、相手の意見がそれと違うと腹を立てたり、相手の興味のあるなしも考えず自分のことを漠然と延々語って自己陶酔していたり、逆に相手の顔色ばかり伺っておろおろしたり、せっかく魅力的な”個人”を持っていながらも、”相手”という対象が現れたとたんバランスを崩してしまう人も少なくはないと思います。ちょっと勇気を出して殻を突き破って、知らない人とも話をするよう心がければ随分変化するのではないでしょうか?

 レフ・トルストイは”アンナ・カレーニナ”の冒頭で「幸せな家庭はすべて互いに似かよったものであり、不幸な家庭はどこもその不幸のおもむきが異なっているものである」と語っていますが、交際上手な人は多様な個性を持っているけど、交際が不得手な人はおおむね似通ったウィークポイントがあるものです。

 ウィークポイントは修正すればいいことです。短所は長所を生み出す可能性を秘めています。”これが短所なんだよなぁ”と気がついたなら、次はそれを長所に変えていけばまた奥行きが深くなります。素晴らしいことだと思いませんか?

 個性とは面白いもので、人と人との組み合わせは掛け算のようなものです。自分自身で想像してみるのですが、”この人とだったらこんなカップルになっていただろうな””逆に、この人とならこんなカップルになっていたのではなかろうか?”組み合わせによって自分自身もその表面が変わるもので、芯さえ揺らいでなければよいのではないでしょうか?どうしても自分自身を変えられないと言うのなら、今のまま1人でいればいいだけのことです。

06.2/4