戌年

 意外に感じることかもしれませんが、ウラジオストクには干支があります。日本や他のアジアの国と同じ”子丑寅辰巳・・・”で、年末になると干支グッズなども出回ります。

 ヨーロッパだなと感じるのは辰年の龍で、日本やアジアの龍は蛇のような体をしていますが、ロシアの龍は”ハリー・ポッター”に出てくるようなドラゴンで、二本足で立ち羽があります。

 最近、ウラジオストクに行ってきた会員さんが言うには、向こうの新聞に干支占いのコーナーを発見したそうです。ネズミや牛など、干支をつかさどる動物の絵があったのですぐにわかったそうです。

 どこの家でもペットを飼っているのがロシアの家庭です。犬は猫と並んでもっともポピュラーなペットで、特に今年は戌年なので犬を飼う家庭が増えると言われています。

 日本では室内で買うのは小型犬が多く、コマーシャルで一世を風靡したチワワは今でも根強い人気があるようです。ロシアでは冬を考えれば外で買うことは危険ですが、多くの人たちは集合住宅に住んでいるにもかかわらず、大型犬が部屋の中で生活しています。

 マスチフやボルゾイなどおよそ日本ではお目にかかれないような巨大な犬が多く、ジャーマン・シェパードが小さく見えるほどです。

 大きいことはいいことだ?ではありませんが、大柄なことやたくましいと言うことも魅力の一つなのは、遊牧や狩猟など体力があるほうが有利な生活をしてきた証かもしれません。

 ロシアの家庭を訪問したら子牛のように大きな犬と、クマのようないかついお父さんと向かい合う覚悟はしておいたほうが良いでしょう。

 ソビエト崩壊時代の物不足で、ハムやパンを買うのに行列していたときでも、ロシア人たちはペットをしっかりと育てていました。中国なら食糧危機でペットを食べていたでしょう。

 夕方の住宅街付近では犬を連れて散歩をしている人をよく見かけますが、散歩中に犬がひねり出した糞を片付けている姿を、少なくも私は見かけたことがありません。日本では糞を入れる紙袋とそ手をつまむはさみを持って散歩するのが犬を飼う常識なのですが。

 道路のほとんどが舗装されているウラジオストクですが、街路樹の周囲は土がむき出しになっていて、ここで犬たちは用をたすみたいです。それにしても思い起こしてみれば犬の糞が道端に落ちている光景をよく目にした気もします。

 元々交通機関としての馬車が発達していたヨーロッパでは、馬糞が落ちていても排気ガスと同じようなものだとかで、気にならない一面があるようです。ウラジオストクでもフェスティバルになると馬車や乗馬などのイベントがありますが、道路にさりげなく馬糞が落ちていることも珍しくはありません。ヨーロッパでハイヒールが発達したのは馬糞だらけの道路を高いヒールで乗り越えるためだそうです。

 バスや列車に犬を連れて乗り込んでくるのでこれもまた日本人には驚きの光景でしょう。大きな犬が乗り込んでくるので恐い気もしますが、ペットとしての歴史が長く、決まりごとも厳しいので、人をかむような犬は淘汰されます。犬にしても猫にしても人なれしています。

 家族の一員としての犬猫ですが、人とペットの距離感がしっかり取れているので、日本的なペットを擬人化して溺愛するような風潮もありません。家族だけれども、人間ではないと言う基本的な筋が通っていて、それができなければ飼う資格がないと言うことなのでしょう。

 日本の犬の愛好家も多いようで、柴犬を筆頭にあきたや甲斐犬など人気があるそうです。日本の犬は野性味が強く、外来種のように人慣れしないそうですが、飼い主だけにはしっかりなついて他の人には目もくれない一途さも好まれているそうです。

06.1/2