ソーセージ

 初めてロシアに出向く人がロシアの食材と最初に対面するのは、日本からロシアに向かう飛行機の機内食でしょう。

 ウラジオストクの場合は、朝、空港近くの食品加工工場で作った機内食を、往復分旅客機に積んで日本に飛んできて、2時間少々でウラジオストクにとんぼ返りします。

 機内食なんていらないからその分安くしろと言うのが、生活路線として日本−ウラジオストク間を見ているものの目線でしょうが、出てくれば出てきたで嬉しいものです。

 国際線では機内食が複数のメニューから選べることが多いのですが、ウラジオストク便ではコーヒーか紅茶が選べます。

 ご飯物はパサパサしていてなじめない部分がありますが、個人的には満足しています。

 食文化が違うなあと感じたのは、サラダにハムが出てきた時で、食べたらおいしかった。

 到着したら、早速市内のキオスクでハムを一本買って夜食に食べたのですが、包丁がないから包みのビニールをボールペンで裂いて、「わんぱくでもいい、たくましく育って欲しい」とダイナミックに丸かじりしました。

 スライスしたほうが食べやすくていい味が出ます。ちょっと塩気が強いかな?と感じるのも保存食ですし、日本のように着色料を使っていないので、色も生々しく感じます。

 ハムなどの加工食品は決してやすくはありませんが、日本と比べると安価です。1ルーブルは大体4円。

 肉類は牛肉よりも豚肉のほうが高いので、豚肉が使われることが多いハムは割高になります。

 向こうでぜひ味わってもらいたいのは燻製したソーセージ。日本で言うサラミソーセージを巨大にしたようなもので、燻製の文化も深いので、香り付けが絶妙です。

 ソビエト崩壊の混乱期に、人々が行列を作っていたのはハムやパンなどの工場生産物資が流通混乱で入ってこなかったからで、決してそれらはなかったわけではありません。大方はストップした鉄道のコンテナーの中で腐敗していました。

 90年代の売店の光景は、カウンターに秤だけが漠然と置かれて商品棚は空っぽ。在庫確認が楽だろうなと思いました。

 ハルビンのソーセージも独特の色合いをしていておいしそうですが、ハルビンでは肉珪(ハーブのニッキ)の香りが強く、甘いのが私の好みと異なります。

 ロシアの燻製ソーセージはハム同様塩気が強く感じますが、個人的にはこちらが好みです。

 日本に帰国する時、途中でキオスクに立ち寄って燻製ソーセージを数本買って持ち帰りました。

 このとき、ご禁制だということなんかすっかり忘れて、普通に買い物ビニール袋に入れて手に持って機内に乗り込み、新潟空港に到着してから張り紙を見て気がつきました。

 検疫係員のところに相談に行ったら「没収させていたいただくことになります」。ここで食べる分には「そちらさまの勝手ですから」と、食べられるだけ腹に積み込んで、残りを渡しました。まさか、仕事上がりに没収したソーセージで一杯やっているのでは?と勘ぐりながらも決まりは決まりです。

 ご禁制といえばキャビアも同じで、毎度行く度に海外持ち出し禁止だったり、二缶までは良い、重さで何グラムまでは良いなど、レギュレーションが変わっていましたが、最近はチョウザメ保護のワシントン条約をたてに禁止になっているようです。原油高のおかげでキャビアで外貨を稼がなくてもよくなったと言うことでしょうか?

06.3/22