原油高
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我が家の界隈は冬の暖房のメインは石油ストーブです。原油高の今年冬は1ℓ75円前後、高いと思った昨年の冬は45円前後、普通だと思った一昨年の冬は35円前後ですから、実に2倍の値段になっています。 原油高で1人勝ちなのがロシアで、未曾有の経済成長の真っ只中です。国栄えて国民滅ぶではありませんが、原油高で国は栄えても、消費者でもある市民はガソリン代の高等で生活に大きな影響がでているようです。 ロシアの人々の普通の生活は決してエネルギー消費量が高いものではなく、市街地では暖房は中央暖房ですし、自家用車を持つ人が増えても、多くの人たちはバスや路面電車のような公共輸送機関を利用しています。日本のように長距離通勤も少ないです。ウラジオストクの夜など殺風景なほど不必要な照明は少ないです。 3月26日からサマータイム(夏時間)になって、時計の針が1時間進みますが、これも緯度が北の地方では夏にかけて日照時間が長くなるので、できるだけ日照のある時間に活動してエネルギー節減の一端をになっています。 現在のロシア国内の石油産業の国家占有率は27%ですが、2年前まではわずか2%しかありませんでした。 なぜ急激に石油産業の国家占有率が高くなったのかと言えば、2003年の12月にロシアの大手石油会社ユコスの社長が横領、脱税などの疑いで逮捕され、ユコスを解体して国が乗っ取ってしまったからで、規制緩和で民間に開発させ難癖つけて乗っ取る遊牧民のような手法です。 ユコス危機が世界の石油に対する危機感をあおり原油高へ進み、これが巡ってロシアの国益に大きく貢献しているのですからおかしなものです。 ユコスの社長だったホドルコフスキーは今どこにいるのかというと、シベリアの刑務所にいるそうです。これだけの人物になると足かせつけられてダム工事の労働に従事しているようなことはないでしょうが、プーチン政権が変わるまではでてこられないでしょう。 ホドルコフスキーは石油成金一家のブッシュとも親しかったようで、ホドルコフスキーの一族やシンパも逮捕されたり、当局監視下に置かれ厳しい状態にあるようです。庶民が慎ましく暮らしているときにゴージャスなことをしていたのですから、この逮捕が市民の不満のガス抜きにもなっているようです。 ユコス解体の目的は、ユコスとの関わりを利用して石油資源を我が物にしようと目論むブッシュの狙いを、プーチンが察して阻止したとロシア人は言っています。 プーチンはサンクトペテルブルグ市長だった1994年には、ロシアの豊富な地下資源を活用すれば世界のタイ国として復活できる。と論文を書いていましたが、まさにそんな状態になってきました。 世界第二位の石油埋蔵量と世界一の天然ガス埋蔵量。核弾以上のロシアの武器となっています。 原油高の影響は日本のみならずUSAやヨーロッパにも影響していますが、とりわけ深刻なのは高度経済成長中の中国で、かつて日本がオイルショックを経験して経済が落ち込んだように、中国の製造コストに大きな影響を及ぼしていることも現実です。なりふり構わない地下資源確保(強奪)の背景にもなっています。 日本はオイルショック時代”省エネルギー”のスローガンの元、代替エネルギーが検討されたり、エネルギー効率の見直しをしたり、国民全体がエネルギー消費削減に向けて努力しました。 ロシアの経済史の研究者によると、70年代のオイルショックの時代に日本の石油需要がソビエトにむくことを予測して石油増産したら、日本が消費を大幅に抑えてしまったのでソビエトの思惑が外れ、これが原油下落を招きソビエト崩壊へ向かったと言っています。 現在、原油高を支えているのは中国でしょうが、エネルギー削減の手段も意識も希薄な拡大政策のおかげで消費が減る傾向はないようです。中国のエネルギー効率は日本の4分の1といわれています。原油が上がった分だけ労働者の賃金が減らされて、国外へ安価な製品を輸出していますが、最近は石油を使う製品の製造を産油国のインドネシアなどに移転している外国企業も多いので、いつまで中国が持ちこたえられるか?内側から萎む気もします。 バレル55ドルを超えたらロシアのバブルは危険地帯と世界では言われていましたが、バレル60ドル70ドルですから、中東情勢如何ではロシアもその反動を受けることでしょう。バブル崩壊の反動で被害を受けるのは市民です。 来年の今頃、原油価格がどうなっているのかわかりませんが、浮き沈みがあるのは時代の常です。昨日の常識が今日の非常識になっているのも良くあることで、混沌とした時代には目先をしっかり見定めることが大切だと思います。 06.3/8 |