5年制
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意外と知られていませんが、ロシアの大学の就学年数は5年です。ロシアでは17歳で大学に入学するのが一般的ですから、5年間学ぶと卒業の時は日本と同じ22-3歳になっています。 元々ソビエト時代は4年生でしたが、ソビエト崩壊後より高い知識を身につけさせようと1990年代中ごろに5年生になりました。4年から5年に変わる一時期、4年半と言う時代が1-2年ありました。 5年目は何をするのかと言えば、学科や研究対象によって異なりますが、ほとんど実習です。教員資格を得るものはこの1年間指定された学校を何箇所か回り、週に3-4日実際に教鞭をとります。経営学を学ぶものは企業に行き現場で研修して経営感覚などを身につけます。 「ソビエト時代は干物のような学問でよかったが、現代は経済も工業も多くの学問は実際に生きている現場と向かい合うことが必要」と、今までの経験が既に通用しない時代に直面した時にシステムを変えています。 ソビエト経験の長い世代で口の悪い人たちは「かつてのソビエトの5カ年計画が失敗続きだったように、大学を5年制にしても失敗するだけ。」と皮肉っていましたが、一応それなりの効果は上がっているようです。 ソビエト時代は教育や医療などは国が補償していたので無料でしたが、ロシアになってからは個人の問題なので、こうした費用も大きく重くなりました。 広大な国土を持つ国だけにサテライト教育が盛んで、ウラジオストクにもモスクワやノボシビリスクなどの大学のサテライト校があり、主に働きながら学ぶ人たちが利用しています。 ロシアの卒業シーズンは6月。5月末頃から1ヶ月ほどかけて卒業試験や進級試験を受けます。日本のように全員共通のペーパー試験もありますが、試験の多くは試験官との面接試験でそのやり取りの中で評価が決まります。そのため試験の日程は長くなります。 就職と学業はまったく別物で、卒業時に主食が決まっていない学生がほとんどだそうです。男性は卒業後兵役に行くものも少なくありませんが、卒業後に働く先を決める学生が多く、3ヶ月から6ヶ月の試用期間を無料で働かせて雇用を決める会社が多いです。無用な従業員を雇わない厳しさがあります。 企業は経理や法律など専門の職員を置くのが一般的で、こうした人たちはスペシャリストで自分の専門以外の職務にタッチしません。ロシアで女性の職業に”Economist”を多く見かけますが、”経済学者”ではなく日本で言う”事務職”や”OL”に近いものです。 使う側と使われる側では給与もまったく違います。チャンスを作って在学中に起業す る学生もいます。経験よりも新しい視点が優先するのは今までのスタンダードが通用しない社会変革の結果でしょう。新しいスタンダードを模索していくことは国際結婚にも似ているような気もします。 このところ新しい企業がたくさん生まれているウラジオストクでも20代の若者それも女性が起業を起こす例が多いです。企業資金をどう集めるかが分かれ目でしょう。学びながら、働きながら、虎視眈々と独立の機会を目指すのは、かつての日本がそうであったように上り坂の証なのでしょう。 こうした若者にとって、現場に触れる5年目はとても有意義な1年になることでしょう。 06.3/10 |