アパート

 ウラジオストクの高台にあるアパート軍。

 殺風景な空港から市内に入ると、高台や丘を覆うように乱立したアパートの明かりが宇宙船のように浮き上がって見えます。

 これらアパートは工場で加工された後に鉄道で運ばれて組み立てられたプレハブ方式のアパート。

 鉄骨にパネルをはめ込んで作ったものです。

 構造計算書偽造問題で揺れる日本の集合住宅ですが、はたしてロシアのプレハブアパートがどのくらいの耐震強度を持つかと考えるもっとあやしいものです。震度5弱どころか、4強で逝ってしまうのでは?と不安になります。

 骨格はしっかりしていると彼らは言いますが。

 間違いなく落ちるのはせり出したサンルーム。特に地震が来なくても、人が乗っただけで床がぬけるサンルームもあります。

 物干しや植木置き場に使っている家がほとんどで、補強回収しない限り人が乗るには危険が多いといわれています。

 築3-40年もののアパート。壁のパネルも経年変化でひび割れていますが、モルタルで補修しています。

 中までひび割れが達することは稀だと言いますが、開発が進んだフルシチョフ時代に雨後の竹の子のように建設されたアパートには施工制度の良くないものが多いといわれています。まだプレハブ建築が理論上で語られていた頃、ソビエトは真っ先に実践してしまいました。

 概観はともかく、中を瀟洒にデコレートするのはロシア人の優れた美的感覚です。

 こちらはハルビンのアパート。

 ソビエトの影響を受けてプレハブ技術で建設されたものです。

 間取りや造りなどよく似ています。

 中国とロシアの生活習慣の違いは、ロシアでは家に入ると靴を脱いでスリッパなどには着替えます。日本の玄関の用に上がり框があるわけではありませんが、家の中では履物を履き替えることを前提に絨毯敷きの家庭が多いです。

 一方中国では外履きのままで家の中でも過ごすので、床はコンクリートのままの家庭が多いです。

 7階程度のアパートならエレベーターがなくても当たり前。

 このところ都市再開発が相次ぐ中国では、この類の建物が取り壊され高層建築へシフトしていますが、新しい建物は家賃が高いので、人々は立ち退き料をもらうと同じような古い建物を探したり、物価の安い地方に移り住む例も少なくありません。

 壁からせり出したなぞの構造物はハトの小屋。4本の支えでこれだけのせり出しを受け止めているのはすごい技術と言うよりすごい度胸です。揺れれば壁後とはがれそうな気もします。

 こういうのを勝手に作ってしまうところもすごいのですが、落ちれば下の店直撃ですね。そうでなくてもハトの糞で大変なことになっていることでしょう。

 最近はこうした壁にエアコンの室外機が取り付けられている光景も当たり前になりましたが、よく落ちないものだと感心します。

 ロシアも似たようなところがありますが、レンガを積み上げた概観を好む感覚があります。

 レンガ風の外観を持ったタイルでも張ればよいのに、はたしてレンガの総重量に耐えられるのか?と心細いような構造の建物にレンガを積み上げてしまいます。

 地震がないのではなく、地震が少ないと言うのが現実で、断層型地震などいつどこで起こっても不思議ではありません。大事についてはそのときになってから考えるのでしょう。

06.4/7