定期便?

 ウラジオストクと富山の伏木港の間には客船の定期便が就航しています。飛行機が苦手な人や、荷物が多い人たちに利用されています。

 ウラジオストク−伏木間は2泊3日の船の旅。夕方出発し、翌々日の朝到着します。

 船の甲板には日本の中古車が所狭しと並び、「どこが客船?」と疑いたくなりますが、ウラジオストクから中古車を買いに来る人たちにとって、土産の中古車と一緒にウラジオストクに帰れる便利な船です。

 それぞれの国にはそれぞれの事情があるものです。

 ウラジオストクから日本に来ていた友人は金曜の船で帰る予定でした。金曜の朝、ウラジオストクの事務所に「日曜の朝に到着すると思いますよ。」と電話すると、「彼はたぶん飛行機で帰ってくるでしょう。」「なんで?」

 日本の船会社がクルージング用に船をチャーターしてしまったので、定期便は臨時休業。台風や海が荒れたと言うのならまだしも、チャーターされたから定期便が出稼ぎに行っちゃう?乗客のことなんてこれっぽちも考えていないのでしょうが、利用する側だって当てにしていないからサバサバしたもんです。

 そんな馬鹿な?定期便でしょう?「クルージングに貸したほうが利益が出るからでしょう。」って、市内を走っている路線バスが、観光バスのほうが稼げるってパートタイムに行ってしまったら?想像してごらん、市民の通勤も混乱するでしょう。

 「時々路線バスが観光バスになることもありますよ。でも、古いポンコツバスは観光客が乗らないから路線バスがなくなるようなことはないですよ。」質問の本質わかってるのかな?と思いながら、そ、そうだよね。そちらはロシアだもんね。

 理由にならない理由で何とか納得しようと心がける。でも、やっぱお前らまともじゃないぞ!

 ウラジオストクの港には他にも客船があります。違う船が日本に行くことはないの?「保険に入っていない船ばかりなので、日本には入稿できません。あなた方が作った法律でしょう。」うーん、すばらしい指摘だ。

 大方のロシア人は予約なんてものはしませんから、いきなり出向いていって乗り込みます。日本から船が来ると思って富山に来てしまった人たちはどうなるのだろう?「そのうちまた船が行きますから大丈夫ですよ。ロシア人は日本人と違います。どんなことがおきても冷静に対処できるのです。」って、はなから計画なんて持っていないから、何事も行き当たりばったりなんでしょう。

 絶望的なまでにおおらかな時間感覚。「予約」や「計画」なんて上の気まぐれで塵芥のごとく吹き飛ぶのですから、彼らが計画性なんて持たないのも納得できます。天変地異や未曾有の恐慌が起こってもロシア人は苦もなく生き残るだろう。

 そういえば、吹雪で新潟空港が閉鎖になった時のことですが、ハルビン便を待つ中国人たちはカウンターや空港当局に駆け込んだり、職員を捕まえて何とかならないのかと詰め寄っていましたが、ハバロフスク便を待つロシア人は「こんなこともあるさ」と冷静で、「どうにかなるさ」と穏やかなものでした。

 12月にノボシビリスクに行ったら予約していたホテルが閉鎖になっていて野宿したこともありました。何とかなったのだから、何とかなるのでしょうと、卑屈に考えないようにしていますが、言葉も出ずに呆然と立ちすくむことは多々あります。怒りやかなしもを通り越すと笑うしかないので、喜んでいるんじゃないぞ!

05.07/10