潜水艇

 日本ではあまり大きく報道されませんでしたが、今年の8月初旬にカムチャッカ沖でロシアの太平洋艦隊の潜水艇が魚網に引っかって身動きができなくなり、日米英の協力で救出される事件がありました。

 2000年の8月に原子力潜水艦クルスクの沈没事故が起きたときは世界中にこの報道が流れましたが、このときは外国に助けを求めなかったこともあって180名の乗組員全員が水深90mで亡くなってしまいました。

 この事件のとき、ロシアの国会で激高する遺族の女性を背後から近づいてきた係員が首元に何か刺したとたんその女性がばったり倒れた光景が世界中に報道されたことで、ソビエト譲りの恐ろしい新兵器があることがわかったこともありましたが、時々激高するロシア妻を静めるためにぜひとも欲しい薬だと我々の間で話題になりました。

 今回の潜水艇事故では近くにいた英国艦隊が無人潜水艇をリモコン操作して、水深180mの魚網を切断して乗組員7名全員が76時間ぶりに救助されました。

 クルスク事故の反省からか外国に救助を求めたことは賢明ですが、国家機密が多い原子力潜水艦と違って単純な構造の潜水艇だから外国に救助を依頼できたと言う説もあります。いづれにしても太平洋艦隊、ロシアには非常時に救出できる装備がないことが明確になってしまいました。

 太平洋艦隊本部があるウラジオストクの友人いわく、老朽化してまともな船や潜水艦がいくつもない状態なのに救助装備まで手が回るわけがない。事故が起こっても当然!金持ちが安全な国外にお金を預けることに夢中になっているので、市民や末端の軍人のことなど眼中にない!とか。

 今後も十分再発する可能性がある事故のようです。

 潜水艦や潜水艇の乗組員になる人たちは海軍の中でも選ばれて特別な訓練を受けた人たちだそうで、狭い部屋の中で何日も過ごすような訓練を受けるそうです。閉所恐怖症の人は絶対に乗組員になれません。

 今回の潜水艇事故では乗組員が極力動かないようにして酸素の消費量を抑えたそうで、救助された時の酸素の残量はわずか12時間分だったそうです。通常の人ならこの事態になった時点でパニックになって呼吸が速くなり、悪くすると暴走して自らの首を絞めることになりかねません

 元海軍将校の友人も父親(元海軍将校)に潜水艦の乗務員だけには絶対になるなと言われたほど過酷で危険な任務だそうです。

 潜水艦や潜水艇は潜って何ぼの仕事ですが、潜ったまま一生浮き上がってこないのでは話になりません。

 日本の天気予報では「本日の降水率○%」と表示されますが、原子力潜水艦が停泊するウラジオストクには「本日の放射線レベルnGy/h」が表示されます。通常自然界の放射線レベルは10〜200nGy/hですが、市民はどのくらいが標準なのかわからないので安全に幸せに生活しています。

 この事故で真っ先太平洋艦隊が取った行動は、ウラジオストクの日本領事館に救助を依頼に行ったことで、日本側も以来からわずか1時間後には4隻の救助艇がカムチャッカ沖に向けて出向しました。ただ、救助艇の停泊している港が横須賀と呉なので到着までに時間がかかりました。意外なことに日本の潜水艦救助能力は世界トップレベルなのだそうです。

05.10/16