肩こり

 「肩こり」と言うのは日本特有の表現のようで、ロシアでは「背中が疲れた」と言う表現をよく耳にします。彼らが肩がこらないのかと言うと決してそんなことはありません。

 昔テレビ番組でこのことを取り上げたのを見たことがあります。一頃、力士やプロレスラーの間で流行っていた貼り薬の膏薬で、それを張っておくと筋肉残った部分の色が青く変色してわかるという代物で、別府温泉かどこか九州のほうで作っていた膏薬です。

 これを外国人の方に貼って、肩こりがないのか調べたら、膏薬は真っ青になり、日本人よりもはるかに肩がこった状態だったにもかかわらず、彼らに肩がこると言う感覚がなかったという結果が出ました。

 以前中国人の整体師が言っていましたが、日本人は背中を丸めてうつむき加減になり、猫背で歩く人が多いから、重い頭を支える肩に負担がかかって肩がこるのだそうで、姿勢正しく歩けば解決されるそうです。

 世界一美しく歩くと言われる中国人は頭をもたげて胸を張って悠々と歩きますが、下腹とお尻を突き出して歩くような形になるので腰に負担が気安いのだとか。平坦地ならまだしも、坂の多い日本でそんな悠々とした歩き方をしていては上り坂で後ろにひっくり返ってしまいます。

 脳の容量が増え、頭が重くなったがために二足歩行になった人類と言われているものの、まだ二足歩行にふさわしい骨格を手に入れていないのかもしれません。

 ただでさえ、顔の大きい日本人。その巨顔を支えるために肩にかかる負担は大きいでしょう。

 肩がこらないと言うロシア人ですが、顔が小さく悩み事がないからなんてことではなく、実際は肩がパンパンになっているのにそれを実感していないだけのことです。

 背中がこったというのでマッサージしてみれば、肩はパンパンに凝り固まっているのに、背中の筋肉のこりはそれほどでもなく脂肪でぶよぶよしているだけ。

 ロシアも脳梗塞の類が多い土地なので、肩や首のこりをほぐして血行を良くして予防することはとても有意義なことだと思っています。オッパイ揉むだけが目当てではありません。

 日本人にとって「疲れたぁ」とつぶやくことは、よく働いたと言う自分への誉め言葉も含まれていますが、めったなことでは疲れたなどと口にしないロシア人。「疲れた」に対する感覚も微妙に異なってきます。

 デートの最中相手を思いやって「疲れたか?」と聞いたつもりが、「一緒にいて面白くない」と受け止められてしまう誤解もしばしばあるものです。こちらがあまり「疲れた」を連発すると体力がないからだと受け止められてしまいます。

 外敵との戦乱の世も長く力と体力のある人間だけが生き残ってきた大陸では、フィジカル的に強いことも大切なことです。虚弱なことは忌み嫌いこそすれ同情なんてありませんから体を鍛えておくにこしたことはありません。アントニオ猪木ではありませんが「元気があれば何でも出来る」で、体と心が健康なことは大きな魅力です。

 気分が滅入るとろくなことを思いつかなくなります。「肩こったなぁ」と思ったら軽くストレッチなどをして体をほぐせば気持ちも爽やかになってくるものです。気分が爽やかになれば心に余裕も出てきますし、仕事にも張り合いが出てきます。手軽なリフレッシュだと思います。

05.10/11