顔が見える
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ソ連は嫌いだがロシア人は好き。東西冷戦があった十数年前まではよく耳にした言葉です。ソビエトは社会制度も違い抜け目なく私達を脅かす恐怖ですが、ロシア人はどこかお人よしで憎めない。こうした概念は戦後のソビエト抑留経験者からもたらされた影響が大きいと思います。 国家を背負えば冷酷無比、一個人になるとどこか抜けていて人間味がある。そんな相反する二面性を感じている方も多いことかと思います。 ソビエトが崩壊しロシアになり、かつてよりも私達に接することが多くなったロシアですが、身近に感じるほど近い国や人々ではありません。知らないが故に感じる恐怖のようなものは大きいです。 ロシアに行くのは初めてという会員さんも多く、海外旅行になれた会員さんでさえ、「本当に大丈夫だろうか?」と不安を感じる人が多いロシアです。むしろ海外渡航経験がなくて初めて行く国がロシアと言う方のほうが気楽に行ってしまうような感じがします。もはやロシアも普通の国です。 あらゆる事態を想定しないと動かない日本人の習性ですから、未知の領域に足を踏み入れることは恐怖かもしれません。でも、案ずるより産むがやすしで、発見の多い時を過ごせることでしょう。「知らない」と言うことは恥ずべきことではなく、「知る」ことができるチャンスを持っています。 行程表にしたがって景勝地を訪ね歩く観光旅行と違って、一歩も二歩も向こうの生活や人々に踏み込むロシアの旅になるので、見えるものも違いますし、人の「情」に触れることも多くなります。人の「顔が見える旅」は一味違いますし、人と出会う「旅」です。一日の長さが違うように感じます。 交際相手や通訳に頼りきってしまう自分と対面することになるでしょうが、これもまた人間関係が深まる一歩です。「謙虚」であれば相手もそのように接してくれるものです。 この逆のこともあるわけで、交際相手が日本に来たら頼りにされるのは自分自身。振り返って、自分がロシアでどんな不安を持っていたか、どんなことが嬉しかったかなど思い起こすと、経験してきたことは役に立ちます。 誰かが一緒に来てくれないと買い物一つできない勝手が違うもどかしさ、こちらの主張がはたして相手に理解してもらえているのかわからないもどかしさなども、同じようにお相手も感じていることでしょう。 なまじ距離的に日本に近いが故に、ウラジオストクと日本の関わりはロシアの中でも大きいほうです。親しみを持ちながらも不可解な国と感じていることはロシア側も同様で、一つの経験がステロタイプとして流布し偏見になってしまっていることも少なくありません。 日本でろくなことをやらかさない不良ロシア人もいれば、日本の恥部のような国辱的日本人がウラジオストクで害悪ばら撒いている例もあります。「ロシア」や「日本」と言う枠組みで捉えてしまうと誤解したりされることもあるものです。 最終的な目的は○○さんと言う個人と個人の交際なので、外枠に惑わされないよう気をつけなければなりません。ロシア人と日本人が結婚するのは書類上の問題のことで、個人と個人が結婚するのが現実の姿です。 ロシアやウラジオストクが「外国」ではなく「○○さんが住んでいる国」「○○さんが住んでいる街」と感じてもらえるようになればとても嬉しいですし、向こうからこちらに対しても同様であればと願っています。 05.9/22 |