簡潔明瞭?
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日本語は多様な言い回しがあるので、どうにでも解釈できる言葉や、どう解釈するのか?判断しかねる言い回しがたくさんあります。言葉には意思を伝えるための言葉と、「間」を保つための言葉がありますが、後者は本当に曲者です。 以前、私の村とUSAの姉妹都市の交流会に通訳に行ったことがあります。NY留学中のお嬢さんがいたので彼女にお偉いさんの挨拶の通訳はお任せしたのですが、村長等が壇上で挨拶するのに毎度おなじみの「口上」があります。 「孔子の言葉に”友あり遠方より来る,また楽しからずや”と言う言葉がございます・・・・」などと数分間の演説が始まり、その間通訳の出る「間」がなく、演説終了後通訳がメモを見ながら十数秒の英語にして意訳。 「随分短いなぁ」と言う声も上がりましたが、数分間の長い演説のポイントを彼女は見事に表現しており、問題はその程度の中身しかない演説だったと言うことです。難しい言葉や聞こえの良い言葉を借りてきて「自己満足」や「自己陶酔」しているだけで、中身の薄い無意味な演説でした。 |
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実は、このパーティーの時、私は教育長の乾杯の音頭の通訳担当だったのですが、こちらも真っ青になりました。 教育長が英語で挨拶すると紙に英文を書いて持ってきていたので、それほど出番はなさそうだと気が楽でした。が、いざ乾杯の挨拶になり、みんながグラスを手に立ち上がり、教育長が壇上に上がり英文のメモを取り出そうとしたときに、ヒラリヒラヒラとそのメモが会場に飛んでいってしまいました。 拾いに行くべきか開き直って日本語で挨拶か?私も横でマイク握って緊張しましたが、教育長はいきなりグラスを持ち上げて日本語で「乾杯!」。 一同その動作でわかったのか皆声を上げておのおの乾杯してしまいました。私はたった一言の「Cheers!」の声を出すまもなく 、一言も喋らず通訳の役を終え、教育長と一緒に壇上から降りました。最高に短く要約した通訳と呼ばれています。 |
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国際化してきたとはいえ、通訳を通じて会話をする経験はあまりないことでしょう。こちらの意向を向こうに訳して伝えてもらう「間」も重要で、なれていないと一方的に話し続けてしまったり、とんでもないところで話を切ってしまったりするものです。 自分が何を言いたいのかしっかり把握して具体的な言葉にしないと、それを訳す側も「どう捕らえてよいのやら?」と困ってしまいます。 「適当に」これも解釈に苦慮する言葉です。お互いに同じ概念を持っていれば「適当に」がどのくらいの量を示すのかわかるものですが、概念が違うととんでもない量が「適当に」になってしまうこともあります。 ウラジオストクで友人と昼食に行った時、「寒いから少しウォッカでも飲みますか?」と言うので「そうですね、適当に」。こちらはぐい飲みのようなグラスに注がれてくるウォッカを思い浮かべていましたが、ボトルが2本出てきました。 もう一つ魔の言葉「なんでもいい」。この言葉には振り回されたことがあります。 USAで日本からの文化交流に人たちのお世話をしたときのことです。年配の人たちが中心ですので”わきまえ”を心得ています。それはそれでとてもありがたかったのですが、「 なんでもいい」には閉口してしまいました。 食事に行って”何を食べますか?”「なんでもいい」。”お肉にしますか、魚にしますか?”「なんでもいい」。 最初はメニューの中身がわからないのだろうと、一つ一つ説明していましたが、「なんでもいい」。こちらが勝手に注文するわけには行かないし、どうすりゃいいんだ?と戸惑いつつも勝手に注文させてもらいました。年配の方々ですから文句も言わずに食べてくれましたし、その後も体調に関する話を耳にすると、できるだけお体に負担をかけないような食べ物を選んで勝手に注文させてもらいました。 ”私達は物がない時代に育ったから、なんだって出していただけりゃありがたく食べます”そう言っていただける年配の人たちはまだ気分が楽です。 ロシア女性の何でもいいには正直泣きたくなることがあります。何でもいいといいながら、気に入らないと怒るのですから腹が立つこともしばしばです。こちらは「何でもいい」は「何もいらない」と解釈するようにしています。日露は妙な曖昧さが共通しています。 「だってわからないんだもの!」と怒る気持ちもわからなくはありません。私達だって外国でいきなり経験や概念のないことについて「どうする?」と言われたら「なんでもいい」になるかもしれません。 大笑いした「なんでもいい」があります。北京に向かう中国の飛行機の中で機内食の配布が始まり、日本式と中華風の二種類のメニューがあり、中国人パーサーが客にどちらにするか聞きながら配っていました。私の隣に4−50代のビジネスマンが乗っており、横柄な態度で「なんでもいいよ」。 ところが、パーサーはその席だけ機内食を配らず移動してしまいました。その男、怒りながらパーサーを呼び止めて「どうして配らないんだ!」するとパーサーが「なにもいい、言ったでしょう!」。なんでもいいを何もいらないと聞き違えたんでしょうね。 このときは私を含め周りの席にいた日本人が「あんたが悪い」と諭してくれたので収まったのですが、その後も「エコノミークラスに乗ってお客気取りしちゃならないよな。」とか「機内食のメニューも決められないザマで商取引ができるのかね?」とか、「見分不相応な海外出張でえらくなった気分なのかね。」などと北京に到着するまで隣で延々いじめていたのが私でした。 05.12/13 |