日本研究

 11月20日に来日するプーチン大統領。柔道の有段者ということ以外あまりプライベートなことは知られていませんが、リュドミラという奥さんがいます。子供も娘が二人います。マリヤとエカテリーナです。ペットだってプードルを飼っています。

 あのニヒリストの大統領が奥さんと二人の娘と犬に囲まれて幸せそうにしている姿はどうにも想像できません。

 プーチン大統領の次女のエカテリーナはこの秋に、国立サンクトペテルブルグ大学の日本文学科に進学しました。日本史を専攻しているようです。クリル(北方領土)の歴史はどうなるのでしょうか?

 エカテリーナ・プーチナ(女性の場合はプーチンがプーチナになります)が日本文学を選んだ理由。元々中国に興味を持っていたのですが、中国文学科は競争率5倍、日本文学なら3倍と競争率が低かったからという説があります。

 まだレニングラードと呼ばれていた頃のサンクトペテルブルグから嫁いできた友人がいますが、彼女は現在の国立サンクトペタルブルグ大学で哲学を学んだ修士です。「日本の歴史なんて学生がいたのかしら?」というくらいですから、マイナーな学部だったんでしょう。マイナーだけどとんでもない研究をしているのがロシアの懐の深さです。

 思えば日本におけるロシア研究だってこのところ向かい風で、緊縮財政で存続さえ危ぶまれています。役に立つたたないばかりで安直に「文化」を評価してはならないものです。懐の深さが知れてしまいます。

 プーチンの娘を機に日本の歴史について興味を持つ人が増えてくれると嬉しいです。1804年に樺太探検をしたクルーゼンシュテルンは樺太は半島だと報告しましたが、1809年に間宮林蔵は樺太が島であることを発見して地図まで作っています。

 「パパ、クリルどころかサハリンも歴史的に日本の領土よ!その証拠にカニや昆布だってみんな日本に行くでしょう!」と娘のエカテリーナがプーチンに一言いってくれれば「そうか!サハリンのウニも日本人が食べるんだよなぁ。」と平和条約締結までの道のりは大幅に縮まるのですが。

 かつてロシアの教育機関で日本語教育があったのはウラジオストクの極東大学だけで、日本文化や文学研究でも独壇場だったのですが、今や各地日本文化の研究機関がありますし、日本語学校も各地にあります。

 何のために日本語の勉強をしたり、日本の文化や歴史の勉強をするのか?というのは愚問で、「好きだから」「興味があるから」でで十分だと思います。そういう意味で日本国内にももっとロシア語などを学べる期間ができると嬉しいものです。

 極東大学の日本の研究機関は東洋学部という組織の中にあります。語学としての日本語以外にもっと幅広い研究機関になっています。

 かつては日本に関する部門はかなり競争率の高かったようですが、このところ人気は低迷しているようです。アジア関係では中国関連が一番人気というのは極東でも同じようなものです。

 工業分野での日本語の出番は多いようですが、その方面の知識を持った通訳や翻訳者は少ないのが現実です。

 ロシアの日本研究は世界でも屈指で歴史も古く、漂流民のゴンザとソウザを利用して露日辞典を作ってしまったり、おろしや国酔夢譚の大黒屋光太夫が内陸のイルクーツクにたどり着いたら、かつてそこに日本語学校が存在していたなど、したたかに相手を先に研究しておくのがロシアの戦略。自分達は世界の中心とかグローバルスタンダードと自分流を押し付ける中国やUSAと違うところです。

 来週、どんな交渉がまとまっていることでしょうか?大きな進展など期待していませんが。

05.11/15