日焼け

 私事ですが、初めてウラジオストクにお見合いに行った時は4月でした。まだ、木々の新芽も芽吹いていない、温かくなり始めたころでした。

 その次に、デートにウラジオストクに行ったのは9月になってからでした。もうそろそろ涼しさが漂い始め、短い秋が始まる頃でした。

 彼女は空港に出迎えに来てくれたのですが、一瞬、誰なのかわかりませんでした。メールで、休みの日は海水浴に出かけていることを知っていましたが、空港のロビーに出てみたのは「どこの国の人?」と首を傾げたくなるほど日焼けした彼女でした。黒くなると言うよりは赤っぽく日焼けしているのですが、いきなり現れると驚きます。

 広大な国土を誇るロシアですが、祖ほとんどの都市が内陸にあるので、海水浴ができる街は限られています。冬、海が凍らず、夏海水浴ができるウラジオストクはロシアでも恵まれた自然環境を有しています。

 緯度が高く日差しも弱いヨーロッパでは健康のための日光浴は古くから行われていました。シベリア内陸の町では日差しが弱いために日焼けマシーンのような機械を国が導入して、人工的に日光浴させて健康に寄与していると聞いています。

 最近でこそ紫外線の害毒も流布していますが、日光浴は健康のために不可欠だそうです。海岸に行くと、気合を入れて日光浴をしている赤鬼たちがあちこちにいます。

 毎年今頃の季節に困るのはロシアの長い夏休みで不在になり、会員同士のメール交換が滞ることと、日焼けして真っ赤になってしまうことで、既存の会員ならまだしも新入会員が海水浴帰りのような写真を送ってくると、こちらも困ってしまいます。「秋になってロシア人に戻ったら、もう一度新しい写真を送ってください。差し替えますから。」

 向こう側とすれば、日光浴は健康に良い行為で、日焼けしていることは健康の証でもありますが、何で日本人がこんなことにこだわるのかわかりません。「色白は七難隠す」と日本では言いますが、「色白は不健康」季節によってはそういう国もあります。

 碧眼や青い目の人たちほど日差しに大して目を傷めやすいそうで、外に出かけるときのサングラスも大切なアイテム。これがまたオールディーズのアメリカン・ドリームのような趣味の悪いチープなデザインのものが多いのですが、彼女らがかけるとそこそこさまになるので不思議です。

 はたしてレンズがどの程度紫外線を吸収するのかを考えて作っているのかはわかりませんが、70年代日本のサングラスブームを思い出してしまいます。

 初めてロシア女性を日本に招待した頃、まだヤマンバギャルが都市の吹き溜まりに生息していました。「あの人たちは日本人?」と聞かれた時、あんなもんと一緒にされたくないから「南太平洋からの旅行者」と答えてしまいました。きっと、フランスの核実験で変異した動物に違いない、そうあってほしいと願ってやみません。

 休日に郊外のダーチャ(家庭菜園)に行って家族で過ごす家庭も多いのですが、太陽の下で活動することを大切にしている人たちです。ウィークデーの仕事でたまったストレスを太陽の下で晴らしているようです。日差しの弱い地域では太陽に対する感覚も違いますが、これなくして健康的な生活は営めません。

05.7/23