人口減少
| ロシアの合計特殊出生率は、日本の1.29人より低い1.25人。1992年をさかいに人口は減り始めています。子供のいない夫婦が15%もいます。 ロシアの国全体の出生率は低下しているものの、減っているのは国民の8割を占めるロシア民族で、チェチェンやダゲスタンやイングーシといった南部のイスラム系共和国では、ひと組の夫婦に平均4人の子供と出生率が高いので、ロシア中央としては頭の痛い問題でしょう。 ロシアの男性の平均寿命が59歳、女性は72歳と圧倒的に女性が長生きする国ですが、戦争があれば男性が早死にするので数字的にはこうなりますし、あとは酒でしょうね。出生率の低下とあいまってロシアはおばあさんの多い国になることでしょうが、ウラジオストクに行って”おばあさんが多い土地だな”と感じることも多いです。 最近は人材の国外流出を懸念してなのか、国際パスポートの発給も規制がかかっています。昨年末あたりから国際パスポートを申請して発給されるまで3ヶ月かかることも珍しくなくなっています。 ロシア人が国外に出るとロシアの外貨が減るとでも考えているのか、中国や韓国、あるいは日本にまで生活用品を買出しに来るウラジオストク人にとって、パスポート取得が難しくなることは好ましい状況ではありません。 ソビエト時代は東欧やソビエト各地で作られた物産がシベリア鉄道でウラジオストクまで運ばれていたために、元々物価の高い地域でした。ソビエト崩壊による流通混乱の時期には、モスクワからの物資が期待できなくなったために、個人貿易で日本や中国韓国から必要物資を調達していました。 プーチン政権になった頃には経済混乱も安定してきましたが、プーチン政権も二期目に入ると締め付けがいろいろ生まれているようです。 ロシアの人材流出が一番良くわかるのはオリンピックなどの国際大会で、オーストラリアやUSA、ヨーロッパ各国など名前を聞けばロシアからの移民とわかる選手が多数出ています。 音楽や演劇などの文化面などもっと著しく、ロシアの国家が手間隙かけて育てた逸材が国外に流出してしまう。”ナンバー1になるよりも、ナンバー2・3で国外に出て活躍するほうが幸せ”と皮肉られるほどです。 テニスのマリア・シャラポワがロシアではいまひとつ人気がないのも、テニスそのものが人気のあるスポーツではないことに加え、彼女がロシアを離れて成功した選手であることも影響しているようです。 20世紀末、私がウラジオストクにお見合いに行った頃、国際結婚を希望する女性にその理由として多かったのは”ロシアに痛くない””ロシアにいても何も良いことがない”と言う意見でした。もちろん、混沌とした時代でしたのでこのような意見があることは納得できる思いがしたものです。 それではこの程度の考えで国外に出た人物がその後思うように生きているかといえば、まず夢が破れること意外経験できなかったことでしょう。生きていくことはそれほどたやすいもので張りませんし、自分で考えてテーマを見つけて生きられないものに光が当たるほど世の中甘くはありません。 ロシア国内でも東の果てにある極東地域は人口減少が著しい地域で、これはただ単に国外に出る人が多いというよりも、国内の移住が簡単になって、経済状態の良い地域や、物価が安くて暖かい地域に移り住む人が多いことも起因しているようです。元々極東方面はじめカムチャッカなどに移住させられた人たちは彼らが好んできたわけではなく、強制的な移住で移り住んだ人が多く、中央から産業の支援もなければ見切りをつけなければなりません。 ロシア極東からロシア人が立ち退き、中国人の行商人がうろつく昨今、極東政府も”このままでは良くない”と懸念してはいるようです。ロシア極東からロシア人が消える?そんな極端な変化はないでしょうが、ありえないことでもなさそうです。 05.11/3 |