アジア系
| 「事務所のビルを変なアジア人が歩いていました。きっと、泥棒に違いありません」 先月空き巣に入られ、財布とデジタルカメラの入ったカバンを盗まれたウラジオストクの事務所。犯人はこのあたりの下水道に住み着いているストリートチルドレンで、しかもアジア系と決め付けているようです。 一目見てそれとわかるような汚い身なりをしているので、そんな子供がオフィスビルに入り込んできたら警戒するのは当然ですが、相手が子供ですと私達日本人ならついつい口調がおとなしくなってしまいますが、彼女らは鬼のような形相で追い払います。
私もアパートの広場などで色落ちしたジーンズをはいてふらふら散歩していたら、住人のおばちゃんに大声で怒鳴られたり、何をしているのだ!と問い詰められたことがあります。みすぼらしい服装に見えたのでしょう。外に出るときは服装にも気をつけるようにしています。 元々住んでいた朝鮮系民族などはスターリンがキルギスタンやカザフスタンなどの中央アジアに強制移民させて追い出しました。 そこへロシア西部やウクライナやベラルーシからスラブ系住民をこれまた強制的に送り込みました。 ソビエト後半の封鎖都市ウラジオストクにはアジア系住民は片手で数えるほどしかいなかったようですが、ソビエト崩壊以降地方に移民させられたアジア系の人たちがウラジオストクに入り込んできたものの、仕事もにもありつけず 与えられた仕事も底辺の仕事であったりで、道を踏み外す例も少なからずあります。 一頃は韓国企業や資本家がウラジオストクに企業を立ち上げたり、郊外の農地を買いあさって、こうした会社や農地の管理に朝鮮系ロシア人を登用していましたが、その後の韓国の金融破たんや、元々経営とは無縁の生活をしていた現地民族のマネージメント能力不足など破綻する例も多かったようです。 モスクワなどでは”アジア系”にベトナム人が入ります。米ソ代理戦争の影響でソビエトに入り込んだベトナム人も多いのですが、極東のウラジオストクではあまり見かけません。最近は休暇シーズンの旅行先でベトナムに行く人も多くなり、ウラジオストクから直行便も出るそうです。 私がウラジオストクに行き始めた頃は中国人商人に関わるトラブルがよく起こっていました。在留期限が切れた不法滞在者による犯罪も多く、街中で警官にパスポートの提示を求められることもよくありました。 以前、私がホテルで親しくなったブリヤートモンゴル人といるところを見たロシア人の友人は「彼らは危険だから近寄ってはならない」とアドバイスしてくれました。ブリヤート人やヤクート人はすぐ激高して過激な行動に出るというのがロシア人側の言い分です。
それもそうだと理解しながらも、裏側もまたあるわけで、モンゴル系側にとってロシア人は侵略者ですから。決して快く思っていない部分もあります。ロシア人にすればモンゴル人は”タタールのくびき”に代表されるように、かつて支配された不愉快な連中ですし、モンゴル人にしてもロシア人は土足で乗り込んできた不愉快な奴らということになります。 日本とロシアだって二度もドンパチしているのですし、北方領土問題が解決しないのでいまだに平和条約も締結できません。でも、見下す視線と見上げる視線の関係でないから、お互いが敬意を持って接することができるだけです。 ハルビンとウラジオストクを往来して治安について考えて見ると、ハルビンの人々のほうが警戒心は強く感じます。建物の作りはロシアも似ていて、ドアの扉は二重になっていますが、ハルビンは外側のドアに必ず覗き窓がありますが、ウラジオストクでは外側の扉の覗き窓をあまり見かけません。 ブザーを押すと外にいるのが誰かを確認もしないでドアを開けますが、慎重な人はチェーンロックをしたままその隙間から外に人物を確認します。ハルビンでは覗き窓から見ないでドアを開けることはまずありません。街中を歩いている警官の数もハルビンのほうが圧倒的に多く、女性などタクシーを拾う時に警官が外にいるのを確認してから外に出ることもありますが、ウラジオストクではそんなことを気にしていませんし、アパート近くの暗い道を女性が歩いていることもあります。 日本は治安が良いなどと思い込んでいるのは日本人の油断で、法制度の甘さで悪い連中が野放しです。それがたまたま自分の身に降りかからないだけです。 異国では悪いことをする人は目つきから悪いので一目見て”こいつは危ない”と感じますが、これは悪党が自分を”悪を自覚しているからです。 最近の日本人の悪い奴なんて”善良な人だった””え?あの人が”の連続で、自分が”悪”だと自覚していないから目つきが妙に純朴ですからこちらのほうが怖いかもしれません。 05.11/11 |