クワス
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これから夏に向かって温かくなってくるとウラジオストクの街中に奇妙なタンク車が出現します。
ロシアの夏の風物詩ともいえるクワス売りです。 クワスは日本人には耳慣れない飲み物ですがロシアっ子たちにとってはコカ・コーラやペプシコーラのようになくてはならない清涼飲料水です。 どんな飲み物かというと、コーラよりももう少し黒っぽく、赤ワインにも近い色合いです。麦茶を苦くなるまでに詰めたような味で、二十数年前に日本で流行ったホッピーのような気がいないでもない奇妙な味わいです。 クワスを知らずに街を歩いていると、子供がビールのようなものを飲んでいるので、驚きます。 炭酸は入っていませんが、暑い夏にはただ単に苦くて、さわやかな飲み物です。日本的味覚からすれば、おいしくないと感じるより、まずいと感じるでしょう。 |
| 街中でこのようなタンクでクワス売りが来ると、ペットボトルなどを持って人々が買いに来ます。もちろん紙コップでも販売しています。
家庭ではこの苦いクワスに砂糖などを入れて飲んでいるようで、向こうの実家に行って冷蔵庫にこの黒い飲み物の入ったボトルがあると、流しに持っていって捨てたくなります。 何でも、こうして街中でタンク売りしているクワスにはまがい物があるらしく、たまたま私が飲んだクワスがまがい物のまずい代物だったので私が食わず嫌いのクワス嫌いになったのだと向こうの人々は申しています。 本物のクワスを作ってやるといわれて、家庭で作れるのか?と聞いてびっくりしました。砂糖水から頭痛にさいなまれるようなウォッカを造るような人々ですからクワスぐらい作れるのでしょうが、我が家の正統派クワスレシピによると食べ残して硬くなったライ麦の黒パンに、熱湯とイースト菌と砂糖があれば発酵させてできるのだそうで、ウォッカほとんど同じ材料でできるようです。 広口の甕の中で発酵してできた泡を取り除き、それをろ過してペットボトルに入れて自家製クワスを作っておりますが、魔女が呪いの薬品を調合しているようでなんとも妖しげな光景です。 ウォッカとの違いはクワスにはハッカ(ペパーミント)が入るのだそうです。市販されているクワスには基本的にアルコール分がないのですが、某家庭で作っているクワスは飲むと体がだるくなります。 クワスは清涼飲料水としてばかりではなく、料理にも使うことがあるそうです。 たまたま口に合わないクワスばかりに出くわし、自家製クワス作りを目の当たりにしたせいか、いまいち良い印象がないのですが、ロシア人にすればスピリチャルドリンクのひとつです。 |